当院の特色・取り組み

透析患者さんに対して、行っていることの一部を紹介します。

足を守る取り組み

なぜ、フットケアが必要なのか?
透析患者さんの"歩ける足"を守ることは"命を守る"こと。
糖尿病の有無にかかわらず、慢性腎臓病が末梢動脈疾患(PAD)発症の独立した危険因子であることは、広く知られるようになりました。
動脈硬化が進行すると足への血流障害が起こり、冷えやしびれ、痛みなどの症状が現れます。血流障害があると、小さな傷ができた場合、悪化して傷が大きくなり、潰瘍、壊死してしまい、最悪の場合、下肢切断に至ることもあります。糖尿病がある方は、神経障害で感覚が鈍くなり痛みに気づかず傷を作ってしまうこともあります。下肢切断に至る足病変を起こさないためには、予防的フットケア、異常の早期発見、早期治療が重要です。

透析患者さんの足を「見る・視る・診る・看る」

当クリニックでは、医師、看護師、臨床工学技士が定期的に(患者さんの足の状態に合わせて間隔を決めます)、足の観察、検査を行います。
医師は診察、看護師はフットチェック、フットケア、セルフケア支援、臨床工学技士はABI(足関節/上腕血圧比)検査、SPP(皮膚還流圧)検査を行い、足病変の予防、異常の早期発見に努めています。
*当クリニックには、日本フットケア・足病学会認定、足病認定師1名、 フットケア指導士3名が在籍しています。

透析患者さんの足を守る「動脈硬化を進行させない透析の工夫」

当クリニックでは、動脈硬化の進行を防ぐための透析の工夫が行われています。

  1. 全患者オンラインHDF
  2. 透析液の選択
  3. ダイアライザーの選択
  4. ドライウエイトの正しい設定
  5. 血圧管理、透析低血圧の予防
  6. 透析効率
  7. カルシウム、リンの適切な管理

バスキュラーアクセス(シャント)を守る取り組み

なぜ、シャントを守る必要があるのか?
透析で使用している血管(バスキュラーアクセス(シャント))は、透析患者さんにとって<命綱>
狭窄や閉塞をしてしまうと、十分な透析が行えず透析不足となってしまいます。
十分な透析を継続するためには、バスキュラーアクセスの正しい管理、異常の早期発見が重要です。

バスキュラーアクセスを守る6つの柱

  1. 熟練した臨床工学技士を中心に、定期的なシャントエコーの実施(形態評価、機能評価をしてエコーの間隔を決定)
  2. 透析中再循環率を測定し、異常の早期発見に努めます
  3. 患者さん毎にバスキュラーアクセスマップを作成し、穿刺部位の管理や情報を共有
  4. バスキュラーアクセスノートを作成し、スタッフ間でバスキュラーアクセスの情報を共有
  5. ポータブルも含めて4台のエコーを完備! 熟練したスタッフによるエコー下穿刺を実施
  6. 治療連携先の施設と顔の見える(現在はコロナ禍のため、声の聴ける)連携を図っています。

感染に対する取り組み(感染対策)

当クリニックでは、感染対策の基本である標準予防策を全スタッフが正しく行っております。

感染対策7つの柱

  1. 患者さんの体調不良時(発熱、嘔吐等)、事前にご連絡をいただくようにしています。
  2. 来院前に患者さん自身で検温の実施をお願いしています。(スタッフも同様に行なっています)
  3. 来院後、手指衛生と検温を実施しています。
  4. 定時採血で炎症反応の上昇等の異常を認めた際は、体調を伺うご連絡をさせていただきます。
  5. 送迎車利用時は、検温、手指衛生、乗車人数制限、常時換気をさせていただいております。
  6. 送迎車、透析機器、ベッド周囲、更衣室は使用毎に消毒を行っております。
  7. 陰圧機能を備えた隔離スペースを完備、発熱等の感染症症状がある時も安心して透析治療が受けられます。

いざという時に備える取り組み(災害対策)

当クリニックでは、平時より災害時に準じた基本的な透析操作を採用しております。

災害対策6つの柱

  1. 毎月1回スタッフの災害訓練を実施(透析中の地震を想定)
  2. 毎月1回災害対策委員会を行い、スタッフ間で情報共有
  3. 毎月1回NTT災害用伝言ダイヤルを使用した訓練を実施
  4. 2か月に1回患者さんに透析条件等を記載した患者情報カードを配布
  5. ホームページを利用した掲示板でのお知らせ
  6. 透析に必要なライフライン3本柱の整備
    水(水処理装置への免振台設置)、電気(自家発電完備)、医材(全患者3日分を備蓄)


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